メモ
数学用語
- $3$ 点 (同一直線上にない) を結んだ図形を三角形と呼ぶのは不適当である. 三角形の面積を考えるには, $3$ 本の直線で囲まれた図形を考える必要がある. また, 視覚的な問題などのため, 三角形をその周のみを描いて図示することがあるが, 三角形の定義に従えば, 内部を塗りつぶした図を描くべきである. これらのことは, 円に関しても同様である.
- 実数 $a$ に対して $a$ 以下の最大の整数を表す記号 $[a]$ をガウス記号と呼ぶが, 英語では Gauss symbol とは呼ばない. 関数 $\mathbb R\to\mathbb Z;a \mapsto [a]$ を底関数 (floor function) と呼ぶ.
- $y'$ は y ダッシ (dash) ではなく, 通常 y プライム (prime) と読む.
- $x$ の関数 $y$ の導関数 $\dfrac{dy}{dx}$ は dy, dx と読む. これは分数ではないので, dx 分の dy とは読まず, dy, dx の順に書くのが好ましい.
- 十進法を $10$ 進法と表記すべきではない. $10$ は十進法という数の表記法が導入されて初めて意味を成す表記であるため, その表記法の導入を宣言する言葉に $10$ という表記を使うのは不適当である. 二進法を念頭に置いている人には二進法と誤解される恐れもある. これに対して, $2$ は一桁の数字だから, 二進法を $2$ 進法と表記してもよい. 同じく, $2$ 以上の整数を表す文字 $n$ を使って $n$ 進法という表現をしても誤解の恐れはない.
組版関係
- 英語圏でローマ数字はアルファベット I, V, X, L, C, D, M または i, v, x, l, c, d, m を並べて表す. 日本語ではローマ数字を全角で表す文字をもたないフォントもあるため, この書き方に従った方が無難かもしれない.
- 定理名で複数人の名前をつなげて書くときは - (hyphen) ではなく – (en dash) を使う [1], [2].
- a ページから z ページまでを pp. a–z のように表すときは - (hyphen) ではなく – (en dash) を使う [1], [2].
- _ は under bar ではなく under score と読む.
- トランプのマーク ♠, ♡, ♢, ♣ は, スート (suit) と呼ばれ, この順に強いとされることが多い.
- 英語圏でテストを採点するとき, 答えがあっていれば ○ の代わりに ✓ をつける.
- [1]
- The Chicago Manual of Style, 2017.
- [2]
- AMS Style Guide, 2017.
※以前こちらのページに掲載していた, 離散幾何学のいくつかのテーマはこちらに移動しました.