メルセンヌ数と完全数
メルセンヌ数
定義《メルセンヌ数》
- (1)
- ある正の整数 $n$ を用いて $2^n-1$ の形に表される整数をメルセンヌ数 (Mernenne number) と呼ぶ.
- (2)
- 素数であるメルセンヌ数をメルセンヌ素数 (Mersenne prime) と呼ぶ.
完全数
定義《完全数》
正の整数 $a$ について, $a$ の正の約数の総和を $\sigma (a)$ で表す.
$\sigma (a) = 2a$ が成り立つとき, $a$ を完全数 (perfect number) と呼ぶ.
メルセンヌ素数と偶数の完全数
定理《メルセンヌ素数と偶数の完全数》
メルセンヌ素数 $2^n-1$ と偶数の完全数 $a$ は
\[ a = 2^{n-1}(2^n-1)\]
により $1$ 対 $1$ に対応する.
証明
こちらを参照.
高校数学の問題
数と式
問題《$2^n-1$ がメルセンヌ素数である条件》
$n$ を正の整数とする.
$2^n-1$ が素数であるならば, $n$ は素数であることを示せ.
(参考: $2007$ 千葉大)
解答例
こちらを参照.
数列
問題《メルセンヌ素数と偶数の完全数》
正の整数 $a$ について, $a$ の正の約数の総和を $\sigma (a)$ で表す.
$\sigma (a) = 2a$ が成り立つとき, $a$ を「完全数」と呼ぶ.
- (1)
- 互いに素な正の整数 $a,$ $b$ に対して, $\sigma (ab) = \sigma (a)\sigma (b)$ を示せ.
- (2)
- 正の整数 $n$ について, $2^n-1$ が素数であるとする. このとき, $a = 2^{n-1}(2^n-1)$ は偶数の「完全数」であることを示せ.
- (3)
- 偶数の「完全数」$a$ を $a = 2^{n-1}a'$ ($n$: $2$ 以上の整数, $a'$: 奇数) の形に表す. このとき, $\sigma (a') = a'+\dfrac{a'}{2^n-1},$ $a' = 2^n-1$ であり, $a'$ は素数であることを示せ.
- (4)
- 偶数の「完全数」を小さい方から順に $4$ つ求めよ. また, $2^{n-1}(2^n-1)$ が偶数の「完全数」にはならないような素数 $n$ を $1$ つ求めよ. $2^n-1$ が素数であるとき $n$ が素数であること (こちらを参照) は証明なしに使ってよい.
(参考: $2020$ 富山県立大, $2000$ 佐賀大)
解答例
こちらを参照.