有名問題・定理から学ぶ数学
Well-Known Problems and Theorems in Mathematics
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n を正の整数とする.
(xn)′=nxn−1 が成り立つことを示せ.
基本定理2021/07/302021/07/30
解答例
- (i)
- n=1 のとき.
h(x+h)−x=1→1(h→0)
であるから, (x)′=1 が成り立つ.
- (ii)
- n≧2 のとき.
二項定理により,
h(x+h)n−xn=h{xn+nxn−1h+2n(n−1)xn−2h2+⋯+hn}−xn=nxn−1+2n(n−1)xn−2h+⋯+hn−1→nxn−1(h→0)
であるから, (xn)′=nxn−1 が成り立つ.
(i), (ii) から, すべての正の整数
n に対して
(xn)′=nxn−1 が成り立つ.
別解: 数学的帰納法, 積の導関数の公式を利用
n に関する数学的帰納法で示す.
- (i)
- n=1 のとき.
h(x+h)−x=1→1(h→0)
であるから, (x)′=1 が成り立つ.
- (ii)
- n=k (k: 正の整数) のとき, 等式が成り立つとする.
このとき, 積の導関数の公式により
(xk+1)′=(xk⋅x)′=(xk)′⋅x+xk⋅(x)′=kxk−1⋅x+xk⋅1=(k+1)xk
となるから, n=k+1 のときも等式が成り立つ.
(i), (ii) から, すべての正の整数
n に対して
(xn)′=nxn−1 が成り立つ.