有名問題・定理から学ぶ数学

Well-Known Problems and Theorems in Mathematics

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください.
重要問題, 背景知識が満載!
問題集『高校数学 至極の有名問題240—文理対応・国公立大~難関大レベル』
好評発売中!

集合

集合

問題《集合の包含関係の特徴付け》

 $U$ を集合とし, $A,$ $B$ をその部分集合とする.
(i)
$A \subset B$ 
(ii)
$A\cup B = B$ 
(iii)
$A\cap B = A$ 
は同値であることを示せ.
基本定理$2022/10/19$$2022/10/24$

解答例 1

 (i) $\Longrightarrow$ (ii) を示すため, (i) つまり $x \in A$ $\Longrightarrow$ $x \in B$ を仮定する. $B \subset A\cup B$ は無条件に成り立つから, $A\cup B \subset B$ を示せばよいが, これは
$x \in A\cup B$$\iff$ $x \in A$ または $x \in B$
$\ \,\Longrightarrow\ \,$ $x \in B$ または $x \in B$
$\iff$ $x \in B$
から従う.
 (ii) $\Longrightarrow$ (i) を示すため, (ii) を仮定する. このとき, $A \subset A\cup B$ かつ $A\cup B \subset B$ から, $A \subset B$ が成り立つ.
 よって, (i) $\iff$ (ii) が成り立つ.
 (i) $\iff$ (iii) は,
$A \subset B$$\iff$ $\bar A \supset \bar B$
$\iff$ $\bar A\cup\bar B = \bar A$ ($\because$ (i) $\iff$ (ii))
$\iff$ $\overline{\bar A\cup\bar B} = \overline{\bar A}$
$\iff$ $\overline{\bar A}\cap\overline{\bar B} = \overline{\bar A}$ ($\because$ ド・モルガンの法則)
$\iff$ $A\cap B = A$
から従う.

解答例 2

 (i) $\Longrightarrow$ (iii) を示すため, (i) つまり $x \in A$ $\Longrightarrow$ $x \in B$ を仮定する. $A\cap B \subset A$ は無条件に成り立つから, $A \subset A\cap B$ を示せばよいが, これは
$x \in A$$\iff$ $x \in A$ かつ $x \in A$
$\ \,\Longrightarrow\ \,$ $x \in A$ かつ $x \in B$
$\iff$ $x \in A\cap B$
から従う.
 (iii) $\Longrightarrow$ (i) を示すため, (iii) を仮定する. このとき, $A \subset A\cap B$ かつ $A\cap B \subset B$ から, $A \subset B$ が成り立つ.
 よって, (i) $\iff$ (iii) が成り立つ.
 (i) $\iff$ (ii) は,
$A \subset B$$\iff$ $\bar A \supset \bar B$
$\iff$ $\bar A\cap\bar B = \bar B$ ($\because$ (i) $\iff$ (iii))
$\iff$ $\overline{\bar A\cap\bar B} = \overline{\bar B}$
$\iff$ $\overline{\bar A}\cup\overline{\bar B} = \overline{\bar B}$ ($\because$ ド・モルガンの法則)
$\iff$ $A\cup B = B$
から従う.

解答例 3

 解答例 1, 2 の前半のように, (i) $\iff$ (ii), (i) $\iff$ (iii) を別々に示す.

参考

 $U$ を集合, $A_1,$ $\cdots,$ $A_n$ をその部分集合とし, $A,$ $B,$ $C,$ $D$ を $A_1,$ $\cdots,$ $A_n$ と $\cup,$ $\cap$ で表された集合とする.
  • $A$ の表示において $\cup,$ $\cap$ を互いに入れ替えて得られる集合を $A$ の「双対」(dual) と呼び, $A^*$ で表す. この $A^*$ は $A_1,$ $\cdots,$ $A_n$ をそれぞれ $\overline{A_1},$ $\cdots,$ $\overline{A_n}$ に置き換えて補集合をとった集合に等しいことが「第 $1$ 双対原理」(first duality principle) として知られている.
  • $A \subset B$ ならば $B^* \subset A^*$ の成り立つことが「第 $2$ 双対原理」(second duality principle) として知られている.
  • $A,$ $B$ の包含関係に関する命題 $p$ と $C,$ $D$ の包含関係に関する命題 $q$ に対して, $A,$ $B,$ $C,$ $D$ をその「双対」に置き換えて包含関係を逆にした命題をそれぞれ $p^*,$ $q^*$ で表すとき, $(p \Longrightarrow q)$ ならば $(q^* \Longrightarrow p^*)$ が成り立つ. これも一種の「双対原理」と呼べる.
問題一覧 (数と式)間接証明法 集合 多項式の演算
実数の大小関係・絶対値 平方根
ガウス記号