複素数の極形式
複素数の極形式
問題《ブラーマグプタ=フィボナッチ恒等式》
- (1)
- 複素数 $z_1,$ $z_2$ に対して \[ |z_1z_2| = |z_1||z_2|\] が成り立つことを示せ.
- (2)
- (1) を使って, 実数 $a,$ $b,$ $c,$ $d$ に対して \[ (ac-bd)^2+(ad+bc)^2 = (a^2+b^2)(c^2+d^2)\] が成り立つことを示せ.
解答例
- (1)
- $z_1 = r_1(\cos\theta _1+i\sin\theta _1),$ $z_2 = r_2(\cos\theta _2+i\sin\theta _2)$ $(r_1,r_2 > 0)$ とおくと, 三角関数の加法定理により \[\begin{aligned} z_1z_2 &= r_1(\cos\theta _1+i\sin\theta _1)\cdot r_2(\cos\theta _2+i\sin\theta _2) \\ &= r_1r_2\{ (\cos\theta _1\cos\theta _2-\sin\theta _1\sin\theta _2) \\ &\qquad\qquad +i(\sin\theta _1\cos\theta _2+\cos\theta _1\sin\theta _2)\} \\ &= r_1r_2\{\cos (\theta _1+\theta _2)+i\sin (\theta _1+\theta _2)\} \end{aligned}\] となるから, $|z_1z_2| = r_1r_2 = |z_1||z_2|$ である.
- (2)
- $z_1 = a+bi,$ $z_2 = c+di$ とすると, $|z_1|^2 = a^2+b^2,$ $|z_2|^2 = c^2+d^2$ となり, $z_1z_2 = (ac-bd)+(ad+bc)i$ から $|z_1z_2|^2 = (ac-bd)^2+(ad+bc)^2$ となるので, $|z_1z_2| = |z_1||z_2|$ つまり $|z_1z_2|^2 = |z_1|^2|z_2|^2$ に代入すると, \[ (ac-bd)^2+(ad+bc)^2 = (a^2+b^2)(c^2+d^2)\] が得られる.
参考
$(a^2+b^2)(c^2+d^2) = (ac-bd)^2+(ad+bc)^2$ は「ブラーマグプタ=フィボナッチ恒等式」(Brahmagupta–Fibonacci identity) として知られている.
問題《複素数の偏角とマチンの公式》
関数 $\tan x$ $\left( -\dfrac{\pi}{2} < x < \dfrac{\pi}{2}\right)$ の逆関数を $\mathrm{arctan}\,x$ で表す.
- (1)
- $\dfrac{(5+i)^4}{239+i}$ を簡単にせよ.
- (2)
- $a,$ $b$ を正の数とする. $\mathrm{arctan}\,x$ を用いて $a+bi$ の偏角を表せ.
- (3)
- $4\,\mathrm{arctan}\dfrac{1}{5}-\mathrm{arctan}\dfrac{1}{239}$ の値を求めよ.
解答例
- (1)
- \[\begin{aligned} (5+i)^2 &= 25+10i+i^2 = 25+10i-1 \\ &= 24+10i = 2(12+5i), \\ (5+i)^4 &= \{ (5+i)^2\} ^2 = 4(12+5i)^2 \\ &= 4(144+120i+25i^2) = 4(144+120i-25) \\ &= 4(119+120i) \quad \cdots [1] \end{aligned}\] であるから, \[\begin{aligned} \frac{(5+i)^4}{239+i} &= \frac{4(119+120i)(239-i)}{(239+i)(239-i)} \\ &= \frac{4(28441+28561i-120i^2)}{57121-i^2} \\ &= \frac{4(28441+28561i+120)}{57121+1} \\ &= \frac{4(28561+28561i)}{57122} \\ &= 2(1+i) \quad \cdots [2] \end{aligned}\] である.
- (2)
- 複素数平面において, 原点 $\mathrm O$ と点 $\mathrm A(a+bi)$ を結ぶ直線の傾きは $\dfrac{b}{a}$ である. $a+bi$ の偏角は直線 $\mathrm{OA}$ と実軸のなす角に等しいから, \[\mathrm{arg}\,(a+bi) = \mathrm{arctan}\,\frac{b}{a} \quad \cdots [3]\] が成り立つ.
- (3)
- $[2]$ の両辺の偏角をとると, \[\mathrm{arg}\,\frac{(5+i)^4}{239+i} = \mathrm{arg}\,2(1+i)\] となる. また, $[1]$ から \[ 0 < \mathrm{arg}\,(239+i) < \frac{\pi}{4} < \mathrm{arg}\,(5+i)^4 = 4\,\mathrm{arg}\,(5+i) < \frac{\pi}{2}\] であるので, \[\begin{aligned} 4\,\mathrm{arg}\,(5+i)-\mathrm{arg}\,(239+i) &= \mathrm{arg}\,2(1+i) \\ 4\,\mathrm{arctan}\frac{1}{5}-\mathrm{arctan}\frac{1}{239} &= \frac{\pi}{4} \quad (\because [3]) \end{aligned}\] が得られる.
参考
イギリスの天文学者マチンは,「マチンの公式」(Machin's formula) と呼ばれる等式 $[*]$ を「グレゴリー=ライプニッツ級数」
\[\arctan x = \sum\limits_{n = 0}^\infty\frac{(-1)^n}{2n+1}x^{2n+1} \quad (-1 \leqq x \leqq 1)\]
(こちらを参照) と結びつけることで, 非常に速く $\pi$ に収束する無限級数
\[\pi = 4\sum\limits_{n = 0}^\infty\frac{(-1)^n}{(2n+1)5^{2n+1}}-4\sum\limits_{n = 0}^\infty\frac{(-1)^n}{(2n+1)239^{2n+1}}\]
を発見した (別証明はこちら).
ド・モアブルの定理
定理《ド・モアブルの定理》
すべての整数 $n$ と角 $\theta$ に対して,
\[ (\cos\theta +i\sin\theta )^n = \cos n\theta +i\sin n\theta \quad \cdots [\ast ]\]
が成り立つ.
証明
まず, $n \geqq 0$ の場合を考える.
さらに, $n < 0$ のとき, $-n > 0$ であるから, 上記の結果により \[\begin{aligned} (\cos\theta +i\sin\theta )^n &= \{ (\cos\theta +i\sin\theta )^{-n}\} ^{-1} \\ &= \{\cos (-n\theta )+i\sin (-n\theta )\} ^{-1} \\ &= \cos n\theta +i\sin n\theta \end{aligned}\] が成り立つ.
- (i)
- $n = 0$ のとき. $(\cos\theta +i\sin\theta )^0 = 1 = \cos 0+i\sin 0$ から, $[\ast ]$ が成り立つ.
- (ii)
- $n = k$ ($k$: 非負整数) のとき $[\ast ]$ が成り立つとすると, 三角関数の加法定理により \[\begin{aligned} &(\cos\theta +i\sin\theta )^{k+1} \\ &= (\cos\theta +i\sin\theta )^k(\cos\theta +i\sin\theta ) \\ &= (\cos k\theta +i\sin k\theta )(\cos\theta +i\sin\theta ) \\ &= \cos k\theta\cos\theta -\sin k\theta\sin\theta \\ &\qquad +i(\sin k\theta\cos\theta +\cos k\theta\sin\theta ) \\ &= \cos (k\theta +\theta )+i\sin (k\theta +\theta ) \\ &= \cos (k+1)\theta +i\sin (k+1)\theta \end{aligned}\] となるから, $n = k+1$ のとき $[\ast ]$ が成り立つ.
さらに, $n < 0$ のとき, $-n > 0$ であるから, 上記の結果により \[\begin{aligned} (\cos\theta +i\sin\theta )^n &= \{ (\cos\theta +i\sin\theta )^{-n}\} ^{-1} \\ &= \{\cos (-n\theta )+i\sin (-n\theta )\} ^{-1} \\ &= \cos n\theta +i\sin n\theta \end{aligned}\] が成り立つ.
定理《複素数の累乗根》
$r$ を正の数, $\theta$ を実数, $n$ を正の整数とする.
複素数 $\alpha = r(\cos\theta +i\sin\theta )$ の $n$ 乗根, つまり $z^n = \alpha$ の解は
\[ z = \sqrt[n]{r}\left(\cos\frac{\theta +2k\pi}{n}+i\sin\frac{\theta +2k\pi}{n}\right) \quad (k = 0,\ \cdots,\ n-1)\]
と表される.
証明
ド・モアブルの定理により, 上記の複素数は $z^n = \alpha$ つまり $z^n-\alpha = 0$ を満たす.
因数定理により, $z^n-\alpha = 0$ の解は $n$ 個以下しかないから, これが解のすべてである.
問題《ド・モアブルの定理》
すべての整数 $n$ と角 $\theta$ に対して
\[ (\cos\theta +i\sin\theta )^n = \cos n\theta +i\sin n\theta \quad \cdots [\ast ]\]
が成り立つことを示せ.
解答例
こちらを参照.
問題《複素数からなる乗法で閉じた集合》
$n$ 個の $0$ でない複素数からなる集合 $G$ で
を満たすものを決定せよ.
$z,$ $w \in G$ $\Longrightarrow$ $zw \in G$ $\cdots$(G0) |
(参考: $2001$ 京都府立医大)
解答例
$n$ 個の $0$ でない複素数からなる集合 $G = \{ z_1,\cdots,z_n\}$ が (G0) を満たすとする.
$G$ の要素 $w$ をとる.
このとき, (G0) から $\{ z_1w,\cdots,z_nw\} \subset G$ となり,
$1 \leqq k < l \leqq n$ なる整数 $k,$ $l$ の各組に対して $z_kw \neq z_lw$ となるので,
\[ G = \{ z_1w,\cdots,z_nw\}\]
が得られる.
$G$ の要素をすべて掛け合わせると
\[ z_1\cdots z_n = (z_1w)\cdots (z_nw) = (z_1\cdots z_n)w^n\]
となるから, $w^n = 1$ が得られる.
ゆえに, $G$ は $1$ の $n$ 乗根からなるので, $z^n = 1$ の解全体の集合
\[ G = \{ 1,\zeta,\cdots,\zeta ^{n-1}\} \quad \left(\zeta = \cos\frac{2\pi}{n}+i\sin\frac{2\pi}{n}\right)\]
と一致する.
別解
$n$ 個の $0$ でない複素数からなる集合 $G$ が (G0) を満たすとする.
このとき, $G$ の各要素 $z$ に対して, $z^m = 1$ なる正の整数 $m$ が存在する.
実際, (G0) から $z^k$ ($k$: 正の整数) の形の複素数はすべて $G$ に含まれるが, $G$ は有限個の複素数からなるので, ある正の整数 $k,$ $l$ $(k < l)$ に対して $z^k = z^l$ となり, 正の整数 $m = l-k$ は $z^m = 1$ を満たす.
さらに, $|z|^m = |z^m| = 1$ から $|z| = 1$ であり, また $1 \in G$ であることもわかる. $n = 1$ のとき, $G = \{ 1\}$ である. そこで, 以下 $n > 1$ とする. $1$ と異なる $G$ の要素のうち, 偏角が $0$ 以上 $2\pi$ 未満の範囲で最小である複素数を $z$ とおき, $m$ を $z^k = 1$ なる正の整数 $k$ の最小値とする. $z \neq 1$ から, $m > 1$ である. $G$ の要素 $w$ を任意にとり, $l$ を $w^l = 1$ なる正の整数とする. また, $w$ の偏角を $0$ 以上 $2\pi$ 未満の範囲で考える.
実際, (G0) から $z^k$ ($k$: 正の整数) の形の複素数はすべて $G$ に含まれるが, $G$ は有限個の複素数からなるので, ある正の整数 $k,$ $l$ $(k < l)$ に対して $z^k = z^l$ となり, 正の整数 $m = l-k$ は $z^m = 1$ を満たす.
さらに, $|z|^m = |z^m| = 1$ から $|z| = 1$ であり, また $1 \in G$ であることもわかる. $n = 1$ のとき, $G = \{ 1\}$ である. そこで, 以下 $n > 1$ とする. $1$ と異なる $G$ の要素のうち, 偏角が $0$ 以上 $2\pi$ 未満の範囲で最小である複素数を $z$ とおき, $m$ を $z^k = 1$ なる正の整数 $k$ の最小値とする. $z \neq 1$ から, $m > 1$ である. $G$ の要素 $w$ を任意にとり, $l$ を $w^l = 1$ なる正の整数とする. また, $w$ の偏角を $0$ 以上 $2\pi$ 未満の範囲で考える.
- (i)
- $\mathrm{arg}\,z^{m-1} \leqq \mathrm{arg}\,w < 2\pi$ のとき. \[ 0 < \mathrm{arg}\,w^{-1} \leqq \mathrm{arg}\,z^{1-m} = \mathrm{arg}\,z\] から, $\mathrm{arg}\,z$ の最小性により $w^{-1} = z$ つまり $w = z^{-1} = z^{m-1}$ となる.
- (ii)
- (i) 以外のとき. $0 \leqq k \leqq m-2$ なるある正の整数 $k$ に対して $\mathrm{arg}\,z^k \leqq \mathrm{arg}\,w < \mathrm{arg}\,z^{k+1}$ となり, \[ 0 \leqq \mathrm{arg}\,wz^{-k} < \mathrm{arg}\,z\] となるから, $\mathrm{arg}\,z$ の最小性により $wz^{-k} = 1$ つまり $w = z^k$ となる.
参考
- 次の条件を満たす演算 $*$ の定義された集合 $G\,(\neq \varnothing )$ を「群」(group) と呼ぶ.
- (G0)
- $G$ のすべての要素 $a,$ $b$ に対して, $a*b \in G$ が成り立つ.
- (G1)
- $(a*b)*c = a*(b*c)$ $(a,b,c \in G)$ が成り立つ.
- (G2)
- $e*a = a*e = a$ $(a \in G)$ なる $G$ の要素 $e$ が存在する.
- (G3)
- $G$ の各要素 $a$ に対して, $a*a^{-1} = a^{-1}*a = e$ なる $G$ の要素 $a^{-1}$ が存在する.
- 例えば, $1$ の $3$ 乗根全体 $G = \{ 1,\omega,\omega ^2\}$ は, 通常の乗法に関して「群」をなすことが確認できる ($e = 1,$ $1^{-1} = 1,$ $\omega ^{-1} = \omega ^2,$ $(\omega ^2)^{-1} = \omega$).
- 本問では, 条件 (G0) に着目して, 複素数の範囲で通常の乗法に関して「群」をなす有限集合を決定した.
問題《$1$ の $5$ 乗根にまつわる相反方程式》
複素数 $\alpha\,(\neq 1)$ を $1$ の $5$ 乗根とする.
- (1)
- \[\alpha ^2+\alpha +1+\dfrac{1}{\alpha}+\dfrac{1}{\alpha ^2} = 0 \quad \cdots [*]\] が成り立つことを示せ.
- (2)
- $t = \alpha +\bar\alpha$ は $t^2+t-1 = 0$ を満たすことを示せ.
- (3)
- $\cos\dfrac{2\pi}{5},$ $\sin\dfrac{2\pi}{5}$ の値を求めよ.
- (4)
- $z^5 = 1$ の複素数解をすべて求めよ.
(参考: 金沢大)
解答例
- (1)
- $\alpha ^5 = 1$ つまり $\alpha ^5-1 = 0$ から, \[ (\alpha -1)(\alpha ^4+\alpha ^3+\alpha ^2+\alpha +1) = 0\] で, $\alpha \neq 1$ であるので, \[\alpha ^4+\alpha ^3+\alpha ^2+\alpha +1 = 0\] が成り立つ. $\alpha \neq 0$ に注意して両辺を $\alpha ^2$ で割ると, \[\begin{aligned} \alpha ^2+\alpha +1+\frac{1}{\alpha}+\frac{1}{\alpha ^2} = 0 \quad \cdots [*] \end{aligned}\] が得られる.
- (2)
- $\alpha ^5 = 1$ から $|\alpha |^5 = 1$ であるので, $|\alpha | = 1$ である. よって, $\alpha\bar\alpha = |\alpha |^2 = 1$ から, $\bar\alpha = \dfrac{1}{\alpha}$ である. $t = \alpha +\bar\alpha$ のとき, $t = \alpha +\dfrac{1}{\alpha}$ であるので, $[*]$ から \[\left(\alpha +\frac{1}{\alpha}\right) ^2+\left(\alpha +\frac{1}{\alpha}\right) -1 = 0\] つまり \[ t^2+t-1 = 0 \quad \cdots [*]'\] が成り立つ.
- (3)
- $\alpha = \cos\dfrac{2\pi}{5}+i\sin\dfrac{2\pi}{5}$ とおく. このとき, $\bar\alpha = \cos\dfrac{2\pi}{5}-i\sin\dfrac{2\pi}{5}$ であるから, \[ t = \alpha +\bar\alpha = 2\cos\frac{2\pi}{5}\] となる. この値は $[*]'$ を満たす正の数であるから, \[ t = \frac{-1+\sqrt 5}{2}\] よって \[\cos\frac{2\pi}{5} = \frac{-1+\sqrt 5}{4} \quad \cdots [1]\] であり, $\sin\dfrac{2\pi}{5} > 0$ から \[\begin{aligned} \sin\frac{2\pi}{5} &= \sqrt{1-\cos ^2\frac{2\pi}{5}} = \sqrt{1-\left(\frac{-1+\sqrt 5}{4}\right) ^2} \\ &= \frac{\sqrt{4^2-(-1+\sqrt 5)^2}}{4} = \frac{\sqrt{10+2\sqrt 5}}{4} \quad \cdots [2] \end{aligned}\] である.
- (4)
- $[1],$ $[2]$ と倍角の公式により \[\begin{aligned} \cos\frac{4\pi}{5} &= 2\cos ^2\frac{2\pi}{5}-1 = \frac{-1-\sqrt 5}{4}, \\ \sin\frac{4\pi}{5} &= 2\sin\frac{2\pi}{5}\cos\frac{2\pi}{5} = \frac{\sqrt{10-2\sqrt 5}}{4} \end{aligned}\] であるので, $z^5 = 1$ の複素数解 \[\begin{aligned} z = 1,\ &\cos\left(\pm\frac{2\pi}{5}\right) +i\sin\left(\pm\frac{2\pi}{5}\right), \\ &\cos\left(\pm\frac{4\pi}{5}\right) +i\sin\left(\pm\frac{4\pi}{5}\right) \quad \text{(複号同順)} \end{aligned}\] は \[\begin{aligned} z = 1,\ &\frac{-1+\sqrt 5\pm\sqrt{10+2\sqrt 5}i}{4}, \\ &\frac{-1-\sqrt 5\pm\sqrt{10-2\sqrt 5}i}{4} \end{aligned}\] である.
参考
係数が $a_{n-k} = a_k$ $(0 \leqq k \leqq n)$ を満たす $n$ 次方程式 $a_nx^n+\cdots +a_1x+a_0 = 0$ を「相反方程式」(reciprocal equation) と呼ぶ.
この形の方程式を解く問題は, 以下の理由により, $n = 2m$ または $n = 2m+1$ ($m$: 非負整数) のとき, $m$ 次方程式 (後者の場合にはこれも「相反方程式」) を解く問題に帰着される.
- (i)
- $n = 2m$ ($m$: 非負整数) のとき. $a_0 = a_n \neq 0$ から $x = 0$ は解でないことに注意して両辺を $x^m$ で割ると, 方程式は \[ a_0(x^m+x^{-m})+\cdots +a_{m-1}(x+x^{-1})+a_m = 0\] の形に変形できる. \[ x^{k+1}+x^{-(k+1)} = (x^k+x^{-k})(x+x^{-1})-\{ x^{k-1}+x^{-(k-1)}\}\] を使うと $x^k+x^{-k}$ は $t = x+x^{-1}$ の $k$ 次式として表されることが数学的帰納法によりわかる. よって, 与えられた方程式は $t$ の $m$ 次方程式と同値である.
- (ii)
- $n = 2m+1$ ($m$: 非負整数) のとき. \[\begin{aligned} &a_n(-1)^n+\cdots +a_{m+1}(-1)^{m+1}+\!a_m(-1)^m+\cdots +a_0 \\ &= a_0(-1)^{2m+1}+\cdots +a_m(-1)^{m+1}+a_m(-1)^m+\cdots +a_0 \\ &= a_0(-1+1)+\cdots +a_m(-1)^m(-1+1) \\ &= 0 \end{aligned}\] であるから, $x = -1$ は方程式の解である. $b_0,$ $\cdots,$ $b_m$ を \[ b_0 = a_0, \quad b_k = a_k-b_{k-1}\ (1 \leqq k \leqq m)\] で定めると \[ (x+1)(b_0x^{2m}+\cdots +b_mx^m+\cdots +b_0) = 0\] の形に変形できるから, 与えられた方程式を解くには $2m$ 次の「相反方程式」 \[ b_0x^{2m}+\cdots +b_mx^m+\cdots +b_0 = 0\] を解けばよい.
問題《正多角形の辺と対角線の長さの積》
$n$ を $3$ 以上の整数とする.
次のことを示せ.
- (1)
- 単位円に内接する正 $n$ 角形の $1$ つの頂点から引けるすべての辺と対角線の長さの積は $n$ である.
- (2)
- \[\sin\frac{\pi}{n}\cdots\sin\frac{n-1}{n}\pi = \frac{n}{2^{n-1}}\] が成り立つ.
(参考: 北海道大)
解答例
- (1)
- 複素数平面において, 単位円に内接し, 点 $\mathrm P_0(1)$ を通る正 $n$ 角形 $\mathrm P_0\mathrm P_1\cdots \mathrm P_{n-1}$ の頂点 $\mathrm P_k$ は $z^n = 1$ の解 \[ z_k = \cos\frac{2k\pi}{n}+i\sin\frac{2k\pi}{n} \quad (k = 0,\ 1,\ \cdots,\ n-1)\] に対応する. $z = z_k$ $(k \neq 0)$ は $z^{n-1}+\cdots +z+1 = 0$ を満たすから, 因数定理により \[ (z-z_1)\cdots (z-z_{n-1}) = z^{n-1}+\cdots +z+1\] が成り立つ. $z = 1$ を代入すると \[ (1-z_1)\cdots (1-z_{n-1}) = n\] となるから, \[\begin{aligned} \mathrm P_0\mathrm P_1\cdot\cdots\cdot\mathrm P_0\mathrm P_{n-1} &= |1-z_1|\cdots |1-z_{n-1}| \\ &= |(1-z_1)\cdots (1-z_{n-1})| \\ &= |n| = n \quad \cdots [1] \end{aligned}\] が成り立つ.
- (2)
- 各番号 $k$ $(1 \leqq k \leqq n-1)$ に対して \[\begin{aligned} |1-z_k|^2 &= (1-z_k)(1-\overline{z_k}) = 1-(z_k+\overline{z_k})+|z_k|^2 \\ &= 1-2\cos\frac{2k\pi}{n}+1^2 = 2\left( 1-\cos\frac{2k\pi}{n}\right) \\ &= 2\cdot 2\sin ^2\frac{k\pi}{n} \end{aligned}\] であるから, \[ |1-z_k| = 2\sin\frac{k\pi}{n}\] が成り立つ. よって, $[1]$ により \[\left( 2\sin\frac{\pi}{n}\right)\cdots\left( 2\sin\frac{n-1}{n}\pi\right) = n\] つまり \[\sin\frac{\pi}{n}\cdots\sin\frac{n-1}{n}\pi = \frac{n}{2^{n-1}}\] が成り立つ.
参考
- $1$ 辺の長さが $1$ の正 $n$ 角形の $1$ つの頂点から引けるすべての辺と対角線の長さの積は $\dfrac{n}{2\sin\dfrac{\pi}{n}}$ である.
- $1$ 辺の長さが $1$ の正 $n$ 角形の辺と対角線の長さの総和は $\dfrac{n}{4\sin ^2\dfrac{\pi}{2n}}$ である (こちらを参照).
問題《ラグランジュの三角恒等式と約数の和の公式》
$N,$ $n$ を正の整数とする.
次のことを示せ.
- (1)
- 複素数 $z\,(\neq 1)$ に対して, \[\sum_{k = 0}^nz^k = \frac{1-z^{n+1}}{1-z}\] が成り立つ.
- (2)
- 複素数 $z = \cos\theta +i\sin\theta\,(\neq 1)$ に対して, \[\frac{1}{1-z} = \frac{\sin\dfrac{\theta}{2}+i\cos\dfrac{\theta}{2}}{2\sin\dfrac{\theta}{2}}\] が成り立つ.
- (3)
- $\theta$ が $2\pi$ の倍数でないとき, \[\begin{aligned} \sum_{k = 0}^n\cos k\theta &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta\cos\dfrac{n}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}}, \\ \sum_{k = 0}^n\sin k\theta &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta\sin\dfrac{n}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}} \end{aligned}\] が成り立つ.
- (4)
- $n \leqq N$ のとき, \[\sum_{k = 1}^n\cos\frac{2kN\pi}{n} = \begin{cases} n & (n\text{: }N\text{ の約数である}), \\ 0 & (n\text{: }N\text{ の約数でない}) \end{cases}\] が成り立つ.
- (5)
- $N$ の正の約数の総和 $\sigma (N)$ は, \[\sigma (N) = \sum_{n = 1}^N\sum_{k = 1}^n\cos\frac{2kN\pi}{n}\] と表される.
(参考: $1971$ 富山大)
解答例
- (1)
- $z \neq 1$ とし, \[ S = \sum_{k = 0}^nz^k\] とおく. このとき, \[ zS = \sum_{k = 1}^{n+1}z^k\] であるから, 辺々を引くと \[ (1-z)S = 1-z^{n+1}\] となり, 両辺を $1-z\,(\neq 0)$ で割ると \[\sum_{k = 0}^nz^k = \frac{1-z^{n+1}}{1-z} \quad \cdots [1]\] が得られる.
- (2)
- 三角関数の倍角の公式, 半角の公式により, \[\begin{aligned} \frac{1}{1-z} &= \frac{1}{1-\cos\theta -i\sin\theta}\cdot\frac{1-\cos\theta +i\sin\theta}{1-\cos\theta +i\sin\theta} \\ &= \frac{1-\cos\theta +i\sin\theta}{(1-\cos\theta )^2+\sin ^2\theta} = \frac{1-\cos\theta +i\sin\theta}{2(1-\cos\theta )} \\ &= \frac{2\sin ^2\dfrac{\theta}{2}+2i\sin\dfrac{\theta}{2}\cos\dfrac{\theta}{2}}{4\sin ^2\dfrac{\theta}{2}} = \frac{\sin\dfrac{\theta}{2}+i\cos\dfrac{\theta}{2}}{2\sin\dfrac{\theta}{2}} \quad \cdots [2] \end{aligned}\] が成り立つ.
- (3)
- ド・モアブルの定理により, \[ z^k = \cos k\theta +i\sin k\theta \quad (0 \leqq k \leqq n+1)\] であるから, $[1],$ $[2],$ 三角関数の倍角の公式, 半角の公式, 加法定理により \[\begin{aligned} &\sum_{k = 0}^n\cos k\theta +i\sum_{k = 0}^n\sin k\theta \\ &= \frac{\sin\dfrac{\theta}{2}+i\cos\dfrac{\theta}{2}}{2\sin\dfrac{\theta}{2}}\{ 1-\cos (n+1)\theta -i\sin (n+1)\theta\} \\ &= \frac{\sin\dfrac{\theta}{2}+i\cos\dfrac{\theta}{2}}{2\sin\dfrac{\theta}{2}}\left( 2\sin ^2\frac{n\!+\!1}{2}\theta\!-\!2i\sin\frac{n\!+\!1}{2}\theta\cos\frac{n\!+\!1}{2}\theta\right) \\ &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}}\left\{\left(\sin\frac{n+1}{2}\theta\sin\frac{\theta}{2}+\cos\frac{n+1}{2}\theta\cos\frac{\theta}{2}\right)\right. \\ &\qquad\qquad\qquad \left.+i\left(\sin\frac{n+1}{2}\theta\cos\frac{\theta}{2}-\cos\frac{n+1}{2}\theta\sin\frac{\theta}{2}\right)\right\} \\ &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}}\left(\cos\frac{n}{2}\theta +i\sin\frac{n}{2}\theta\right) \end{aligned}\] が成り立つ. 実部, 虚部をそれぞれ比較すると, \[\begin{aligned} \sum_{k = 0}^n\cos k\theta &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta\cos\dfrac{n}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}} \quad \cdots [3], \\ \sum_{k = 0}^n\sin k\theta &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta\sin\dfrac{n}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}} \end{aligned}\] が得られる.
- (4)
- (i)
- $n$ が $N$ の約数であるとき. $\dfrac{kN}{n}$ は整数であるから, \[\sum_{k = 1}^n\!\cos\frac{2kN\pi}{n} \!=\! \sum_{k = 1}^n\!\cos\!\left(\frac{kN}{n}\cdot 2\pi\right) \!=\! \sum_{k = 1}^n1 \!=\! n \quad \cdots [4]\] が成り立つ.
- (ii)
- $n$ が $N$ の約数でないとき. $[3]$ を $\theta = \dfrac{2N\pi}{n}$ に適用すると \[\begin{aligned} &1+\sum_{k = 1}^n\cos\frac{2kN\pi}{n} = \sum_{k = 0}^n\cos\left( k\cdot\frac{2N\pi}{n}\right) \\ &= \frac{\sin\dfrac{(n+1)N\pi}{n}\theta\cos N\pi}{\sin\dfrac{N\pi}{n}} = 1 \end{aligned}\] となるから, \[\sum_{k = 1}^n\cos\frac{2kN\pi}{n} = 0 \quad \cdots [5]\] が得られる.
- (5)
- $N$ の正の約数 $n$ の総和は, $[4]$ の値の総和である. これに $N$ の約数でない $1$ 以上 $N$ 以下の整数 $n$ について $[5]$ の値を加えても値は変わらないから, \[\sigma (N) = \sum_{n = 1}^N\sum_{k = 1}^n\cos\frac{2kN\pi}{n}\] が成り立つ.
参考
$\theta$ が $2\pi$ の倍数でないとき,
\[\begin{aligned}
\sum_{k = 0}^n\cos k\theta &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta\cos\dfrac{n}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}} = \frac{\sin\dfrac{\theta}{2}+\sin\left( n+\dfrac{1}{2}\right)\theta}{2\sin\dfrac{\theta}{2}}, \\
\sum_{k = 0}^n\sin k\theta &= \frac{\sin\dfrac{n+1}{2}\theta\sin\dfrac{n}{2}\theta}{\sin\dfrac{\theta}{2}} = \frac{\cos\dfrac{\theta}{2}-\cos\left( n+\dfrac{1}{2}\right)\theta}{2\sin\dfrac{\theta}{2}}
\end{aligned}\]
が成り立つ.
これらの等式は「ラグランジュの三角恒等式」(Lagrange's trigonometric identities) として知られている.
問題《フィボナッチ数列の三角関数表現》
$n$ を正の整数とし, $\dfrac{n}{2}$ の整数部分を $m$ とおく.
次のことを示せ.
- (1)
- $\alpha = r(\cos\theta +i\sin\theta )$ $(r > 0)$ のとき, \[ (x-\alpha )(x-\bar\alpha ) = x^2-2r\cos\theta\cdot x+r^2\] が成り立つ.
- (2)
- \[\begin{aligned} &a^n-b^n \\ &= \begin{cases} (a-b)\left( a^2-2ab\cos\dfrac{2\pi}{n}+b^2\right) \\ \quad\cdots\left\{ a^2-2ab\cos\dfrac{2(m-1)\pi}{n}+b^2\right\} \quad (n = 2m-1), \\ (a-b)(a+b)\left( a^2-2ab\cos\dfrac{2\pi}{n}+b^2\right) \\ \quad\cdots\left\{ a^2-2ab\cos\dfrac{2(m-1)\pi}{n}+b^2\right\} \quad (n = 2m) \end{cases} \end{aligned}\] が成り立つ.
- (3)
- $n \geqq 3$ のとき, \[ F_n = \frac{1}{\sqrt 5}\left\{\left(\frac{1+\sqrt 5}{2}\right) ^n-\left(\frac{1-\sqrt 5}{2}\right) ^n\right\} \quad \cdots [*]\] を一般項とする数列 $\{ F_n\}$ について \[ F_n = \left( 1+4\cos ^2\frac{\pi}{n}\right)\cdots\left\{ 1+4\cos ^2\frac{(m-1)\pi}{n}\right\}\] が成り立つ.
解答例
- (1)
- $\alpha = r(\cos\theta +i\sin\theta )$ のとき, $\bar\alpha = r(\cos\theta -i\sin\theta )$ よって \[\alpha +\bar\alpha = 2r\cos\theta, \quad \alpha\bar\alpha = |\alpha |^2 = r^2\] であるから, \[\begin{aligned} (x-\alpha )(x-\bar\alpha ) &= x^2-(\alpha +\bar\alpha )x+\alpha\bar\alpha \\ &= x^2-2r\cos\theta\cdot x+r^2 \end{aligned}\] が成り立つ.
- (2)
- $x^n = 1$ は, $n = 2m-1$ のとき実数解 $x = 1,$ $n = 2m$ のとき実数解 $x = \pm 1$ をもち, いずれの場合にも $m-1$ 組の互いに共役な虚数解 $x = \cos\dfrac{2k\pi}{n}\pm i\sin\dfrac{2k\pi}{n}$ $(1 \leqq k \leqq m-1)$ をもつ. よって, (1) により $x^n-1$ は \[ x^2-2x\cos\dfrac{2k\pi}{n}+1\] で割り切れる. したがって, \[\begin{aligned} &x^n-1 \\ &= \begin{cases} (x-1)\left( x^2-2x\cos\dfrac{2\pi}{n}+1\right) \\ \quad\cdots\left\{ x^2-2x\cos\dfrac{2(m-1)\pi}{n}+1\right\} \quad (n = 2m-1), \\ (x-1)(x+1)\left( x^2-2x\cos\dfrac{2\pi}{n}+1\right) \\ \quad\cdots\left\{ x^2-2x\cos\dfrac{2(m-1)\pi}{n}+1\right\} \quad (n = 2m) \end{cases} \end{aligned}\] が成り立つ. $x = \dfrac{a}{b}$ を代入して両辺に $b^n$ を掛けると, 求める等式が得られる.
- (3)
- $a = \dfrac{1+\sqrt 5}{2},$ $b = \dfrac{1-\sqrt 5}{2}$ とおく. このとき, $a-b = \sqrt 5,$ $a+b = 1$ であるから, $[*]$ と (2) により \[\begin{aligned} F_n &= \frac{1}{\sqrt 5}(a^n-b^n) \\ &= \!\left( a^2\!-\!2ab\cos\dfrac{2\pi}{n}\!+\!b^2\right)\!\cdots\!\left\{ a^2\!-\!2ab\cos\dfrac{2(m\!-\!1)\pi}{n}\!+\!b^2\right\} \end{aligned}\] が成り立つ. ここで, $1 \leqq k \leqq m-1$ なる各整数 $k$ に対して \[\begin{aligned} &a^2-2ab\cos\dfrac{2k\pi}{n}+b^2 \\ &= \left(\frac{1\!+\!\sqrt 5}{2}\right) ^2-2\cdot\frac{1\!+\!\sqrt 5}{2}\cdot\frac{1\!-\!\sqrt 5}{2}\cos\frac{2k\pi}{n}+\left(\frac{1\!-\!\sqrt 5}{2}\right) ^2 \\ &= \frac{3+\sqrt 5}{2}-2\cdot (-1)\cdot\cos\frac{2k\pi}{n}+\frac{3-\sqrt 5}{2} \\ &= 3+2\cos\frac{2k\pi}{n} = 1+4\cdot\frac{1}{2}\left( 1+\cos\frac{2k\pi}{n}\right) \\ &= 1+4\cos ^2\frac{k\pi}{n} \end{aligned}\] であるから, \[ F_n = \left( 1+4\cos ^2\frac{\pi}{n}\right)\cdots\left\{ 1+4\cos ^2\frac{(m-1)\pi}{n}\right\}\] が成り立つ.
参考
- $F_1 = F_2 = 1,$ $F_{n+2} = F_n+F_{n+1}$ で定まる数列「フィボナッチ数列」(Fibonacci sequence) $\{ F_n\}$ の一般項は, $[*]$ のように表される (こちらを参照). この公式は「ビネの公式」(Binet's formula) として知られている.
- 「フィボナッチ数列」$\{ F_n\}$ は, 複素数の範囲まで定義域を拡げた三角関数を用いて \[ F_n = \frac{i^{n-1}\sin nz}{\sin z}\] と表されることも知られている.