有名問題・定理から学ぶ数学

Well-Known Problems and Theorems in Mathematics

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分数関数

分数関数

問題≪周長と面積が等しい長方形≫

 縦の長さが $x,$ 横の長さが $y$ の長方形の周の長さと面積が等しいとき, 次の問いに答えよ.
(1)
$y$ を $x$ の関数で表し, そのグラフを描け.
(2)
$x,$ $y$ が整数のとき, $x,$ $y$ の値を求めよ.

解答例

(1)
$2x+2y = xy$ つまり $(x-2)y = 2x$ から,
$y = \dfrac{2x}{x-2}$ つまり $y = \dfrac{4}{x-2}+2$
である.
(2)
$x,$ $y$ が整数のとき, $\dfrac{4}{x-2}$ は整数であるので, \[ x-2 = \pm 1,\ \pm 2,\ \pm 4\] から, $x = -2,$ $0,$ $1,$ $3,$ $4,$ $6$ である.
$x > 0$ から $x = -2,$ $0$ は不適で, $x = 1,$ $3,$ $4,$ $6$ である.
このとき, $y = -2,$ $6,$ $4,$ $3$ であるが, $y > 0$ から $y = -2$ は不適で, \[ (x,y) = (3,6),\ (4,4),\ (6,3)\] である.

問題≪分数方程式≫

 $a,$ $b,$ $c,$ $d$ は実数で, $ad-bc < 0,$ $c \neq 0$ とする. このとき, 次のことを示せ.
(1)
$x$ の方程式 $\dfrac{ax+b}{cx+d} = x$ は $x = -\dfrac{d}{c}$ の両側に $1$ つずつ実数解をもつ.
(2)
(1) の $2$ 解を $\alpha,$ $\beta$ $\left(\alpha < -\dfrac{d}{c} < \beta\right)$ とおくとき, $\alpha < x < \beta$ かつ $x \neq -\dfrac{d}{c}$ ならば, $\dfrac{ax+b}{cx+d} < \alpha$ または $\beta < \dfrac{ax+b}{cx+d}$ である.
(参考: 東京工業大)

解答例

(1)
\[\frac{ax+b}{cx+d} = x \quad \cdots [1]\] の両辺に $c(cx+d)$ を掛けて整理すると, $x$ の $2$ 次方程式 \[ c^2x^2+c(d-a)x-bc = 0 \quad \cdots [2]\] が得られる. 左辺に $-\dfrac{d}{c}$ を代入すると, 仮定から \[ d^2-d(d-a)-bc = ad-bc < 0\] となるので, $[2]$ は $x = -\dfrac{d}{c}$ の両側に $1$ つずつ実数解をもつ. それらの解は $[1]$ の分母 $cx+d$ を $0$ にしないから, $[1]$ は $x = -\dfrac{d}{c}$ の両側に $1$ つずつ実数解をもつ.
(2)
$y = \dfrac{ax+b}{cx+d}$ とおく. $(y-\alpha )(y-\beta ) > 0$ を示せばよい. \[ y = \frac{a}{c}-\frac{ad-bc}{c(cx+d)}\] であるので, \begin{align*} y\!-\!\alpha &= \frac{ad\!-\!bc}{c(c\alpha \!+\!d)}\!-\!\frac{ad\!-\!bc}{c(cx\!+\!d)} \!=\! \frac{(ad\!-\!bc)(x\!-\!\alpha )}{(cx\!+\!d)(c\alpha\!+\!d)}, \\ y\!-\!\beta &= \frac{(ad\!-\!bc)(x\!-\!\beta )}{(cx\!+\!d)(c\beta\!+\!d)} \end{align*} と $\alpha < x < \beta,$ $\alpha < -\dfrac{d}{c} < \beta$ から \[ (y-\alpha )(y-\beta ) = \frac{(ad-bc)^2(x-\alpha )(x-\beta )}{(cx+d)^2(c\alpha +d)(c\beta +d)} > 0\] が成り立つ.