有名問題・定理から学ぶ数学

Well-Known Problems and Theorems in Mathematics

数式を枠からはみ出さずに表示するためには, 画面を横に傾けてください.

接線・法線(数学 III)

接線

定理《関数のグラフの接線》

 $x = \alpha$ において微分可能な関数 $f(x)$ のグラフ $y = f(x)$ の点 $(\alpha ,f(\alpha ))$ における接線の方程式は \[ y-f(\alpha ) = f'(\alpha )(x-\alpha )\] である.

問題《$4$ 次関数のグラフの複接線の傾き》

 $4$ 次関数 $f(x),$ $1$ 次関数 $g(x),$ 相異なる実数 $\alpha,$ $\beta$ について, 曲線 $C:y = f(x),$ 直線 $l:y = g(x)$ が直線 $x = \alpha,$ $x = \beta$ 上でそれぞれ接するとする. このとき, $C$ の接線 $l$ の傾き $m$ は $f'''(x) = 0$ の解 $\gamma$ を用いて \[ m = f'(\gamma )\] と表されることを示せ. $f(x)-g(x)$ が $(x-\alpha )^2,$ $(x-\beta )^2$ で割り切れることは証明なしに使ってよい(こちらを参照).

解答例

 $f(x)-g(x) = a(x-\alpha )^2(x-\beta )^2,$ $g(x) = mx+n$ ($a,$ $m,$ $n$: 実数, $a,$ $m \neq 0$)とおく. このとき, \[\begin{aligned} f(x) &= a(x-\alpha )^2(x-\beta )^2+mx+n, \\ f'(x) &= a\{ 2(x-\alpha )\cdot (x-\beta )^2+(x-\alpha )^2\cdot 2(x-\beta )\} +m \\ &= 2a(x-\alpha )(x-\beta )(2x-\alpha -\beta )+m, \\ f''(x) &= 2a\{ 1\cdot (x-\beta )\cdot (2x-\alpha -\beta ) \\ &\qquad +(x-\alpha )\cdot 1\cdot (2x-\alpha -\beta ) \\ &\qquad +(x-\alpha )\cdot (x-\beta )\cdot 2\} \\ &= 2a\{ 6x^2-6(\alpha +\beta )x+\alpha ^2+4\alpha\beta +\beta ^2\}, \\ f'''(x) &= 12a(2x-\alpha -\beta ) \end{aligned}\] となるから, $f'''(x) = 0$ の解 $\gamma$ は \[\gamma = \dfrac{\alpha +\beta}{2}\] であり, \[ f'(\gamma ) = 2a(\gamma -\alpha )(\gamma -\beta )(2\gamma -\alpha -\beta )+m = m\] が成り立つ. ゆえに, $C$ の接線 $l$ の傾きは $m = f'(\gamma )$ と表される.

別解

 $h(x) = f(x)-g(x) = a(x-\alpha )^2(x-\beta )^2,$ $g(x) = mx+n$ ($a,$ $m,$ $n$: 実数, $a,$ $m \neq 0$)とおく. このとき, \[\begin{aligned} h'(x) &= a\{ 2(x-\alpha )\cdot (x-\beta )^2+(x-\alpha )^2\cdot 2(x-\beta )\} \\ &= 2a(x-\alpha )(x-\beta )(2x-\alpha -\beta ) \end{aligned}\] から, $\gamma = \dfrac{\alpha +\beta}{2}$ は $h'(\gamma ) = 0$ を満たす. \[ h'(\alpha ) = h'(\gamma ) = h'(\beta ) = 0, \quad \alpha < \gamma < \beta\] であるから, $3$ 次関数のグラフ $y = h'(x)$ の対称性により $(\gamma,h'(\gamma ))$ は $y = h'(x)$ のただ $1$ つの変曲点である. よって, $\gamma$ は $h'''(\gamma ) = 0$ を満たし, また $g'(x) = m,$ $g''(x) = g'''(x) = 0$ であるから \[ f'''(\gamma ) = g'''(\gamma )+h'''(\gamma ) = 0\] であり, \[ f'(\gamma ) = g'(\gamma )+h'(\gamma ) = m\] が成り立つ.

背景

 曲線 $C$ と直線 $l$ が相異なる $2$ 点で接するとき, $l$ を $C$ の「複接線」(double tangent line)と呼ぶ.

問題《座標軸が切り取るアステロイドの接線》

 媒介変数表示された曲線 \[ C:\begin{cases} x = \cos ^3t, & {} \\ y = \sin ^3t & {} \end{cases}\] の $t$ ($\neq \dfrac{n\pi}{2},$ $n$: 整数)に対応する点での接線が座標軸によって切り取られてできる線分の長さは, $t$ の値によらず一定であることを示せ.

解答例

 $t \neq \dfrac{n\pi}{2}$ ($n$: 整数)とする. このとき, \[\frac{dy}{dx} = \frac{\dfrac{dy}{dt}}{\dfrac{dx}{dt}} = \frac{3\sin ^2t\cos t}{-3\cos ^2t\sin t} = -\tan t\] であるから, 点 $(\cos ^3t,\sin ^3t)$ における $C$ の接線の方程式は \[ y = -\tan t(x-\cos ^3t)+\sin ^3t\] である. この $x$ 切片は \[\begin{aligned} 0 &= -\tan t(x-\cos ^3t)+\sin ^3t \\ \tan t(x-\cos ^3t) &= \sin ^3t \\ x-\cos ^3t &= \frac{\sin ^3t}{\tan t} = \cos t\sin ^2t \end{aligned}\] から \[ x = \cos ^3t+\cos t\sin ^2t = \cos t(\cos ^2t+\sin ^2t) = \cos t\] であり, $y$ 切片は \[\begin{aligned} y &= -\tan t(-\cos ^3t)+\sin ^3t = \sin t\cos ^2t+\sin ^3t \\ &= \sin t(\cos ^2t+\sin ^2t) = \sin t \end{aligned}\] である. ゆえに, $C$ の接線が座標軸によって切り取られてできる線分の長さは \[\sqrt{(0-\cos t)^2+(\sin t-0)^2} = 1\] で, $t$ の値によらず一定である.

背景

  • $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} \leqq a^{\frac{2}{3}}$ で表される領域, または曲線 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} = a^{\frac{2}{3}}$ $(a > 0)$ を「星芒形」または「アステロイド」(asteroid)と呼ぶ.
  • 領域 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} \leqq a^{\frac{2}{3}}$ は, $x$ 軸と $y$ 軸の両方に接する長さ $a$ の線分の通過範囲として定まる(こちらも参照).
  • 曲線 $x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}} = a^{\frac{2}{3}}$ は, 半径 $a$ の定円の中をその周に沿って半径 $\dfrac{a}{4}$ の円がすべることなく転がるとき, 動円の周上の $1$ 点の軌跡としても定まる(こちらを参照).

問題《放物線 $\sqrt x+\sqrt y = 1$ に関する面積の最大値》

 曲線 $C:\sqrt x+\sqrt y = 1$ と, $C$ 上の点 $\mathrm P(a,b)\ (ab \neq 0)$ における $C$ の接線 $\ell$ について, 次の問いに答えよ.
(1)
$\ell$ の方程式を求めよ.
(2)
$\ell$ と座標軸が囲む三角形の面積 $S$ の最大値を求めよ.

解答例

(1)
$x > 0,$ $y > 0$ において $C$ の方程式 $\sqrt x+\sqrt y = 1$ を $x$ で微分すると
$\dfrac{1}{2\sqrt x}+\dfrac{y'}{2\sqrt y} = 0$ つまり $y' = -\dfrac{\sqrt y}{\sqrt x}$
となるから, $C$ 上の点 $\mathrm P(a,b)$ における $C$ の接線 $\ell$ の方程式は \[ y = -\frac{\sqrt b}{\sqrt a}(x-a)+b\] である.
(2)
$\ell$ と座標軸の交点の座標を $(p,0),$ $(0,q)$ とおくと, \[ 0 = -\frac{\sqrt b}{\sqrt a}(p-a)+b, \quad q = -\frac{\sqrt b}{\sqrt a}(0-a)+b\] から \[ p = a+\sqrt{ab}, \quad q = b+\sqrt{ab}\] となる. また, 点 $\mathrm P$ が曲線 $C$ 上にあることから $\sqrt a+\sqrt b = 1$ が成り立つので, \[ p+q = a+2\sqrt{ab}+b = (\sqrt a+\sqrt b)^2 = 1\] である. よって, $\ell$ と座標軸が囲む三角形の面積は \[\begin{aligned} S &= \frac{1}{2}pq = \frac{1}{2}p(1-p) \\ &= -\frac{1}{2}(p^2-p) = -\frac{1}{2}\left( p-\frac{1}{2}\right) ^2+\frac{1}{8} \end{aligned}\] である. $0 < p < 1$ から, $S$ は $p = \dfrac{1}{2}$ のとき最大値 $\dfrac{1}{8}$ をとる. ($S$ の最大値を与える点 $\mathrm P$ の座標は $\left(\dfrac{1}{4},\dfrac{1}{4}\right)$ である.)

接線

定理《関数のグラフの法線》

 $x = \alpha$ において微分可能な関数 $f(x)$ のグラフ $y = f(x)$ の点 $(\alpha ,f(\alpha ))$ における法線の方程式は,
  $f'(\alpha ) \neq 0$ のとき $y-f(\alpha ) = -\dfrac{1}{f'(\alpha )}(x-\alpha ),$
  $f'(\alpha ) = 0$ のとき $x = \alpha$
である.

問題《放物線の縮閉線》

 $a$ を実数とし, 放物線 $y = x^2$ の点 $(a,a^2),$ $(a+t,(a+t)^2)$ ($t \neq 0,$ $a+t \neq 0$)における法線の交点を $(u(t),v(t))$ とおく.
(1)
極限値 $p = \lim\limits_{t \to 0}u(t),$ $q = \lim\limits_{t \to 0}v(t)$ を求めよ.
(2)
$2$ 点 $(a,a^2),$ $(p,q)$ の間の距離 $r$ を求めよ.
(3)
$a$ が実数全体を動くとき, 点 $(p,q)$ の軌跡を求めよ.

解答例

(1)
放物線 $y = x^2$ の点 $(a,a^2)$ における法線の方程式は, $a = 0$ のとき $x = 0$ であり, $a \neq 0$ のとき
$y-a^2 = -\dfrac{1}{2a}(x-a)$ つまり $y = -\dfrac{1}{2a}x+a^2+\dfrac{1}{2}$
である. また, $y = x^2$ の点 $(a+t,(a+t)^2)$ における法線の方程式は, $a+t \neq 0$ のとき \[ y = -\frac{1}{2(a+t)}x+(a+t)^2+\frac{1}{2}\] である.
(i)
$a = 0$ のとき. $2$ 本の法線 $x = 0,$ $y = -\dfrac{1}{2t}x+t^2+\dfrac{1}{2}$ の交点の $x$ 座標は $u(t) = 0,$ $y$ 座標は $v(t) = t^2+\dfrac{1}{2}$ であるから, $t \to 0$ とすると \[ p = 0, \quad q = \frac{1}{2}\] となる.
(ii)
$a \neq 0$ のとき. $2$ 本の法線の交点の $x$ 座標は \[ -\frac{1}{2a}x+a^2+\frac{1}{2} = -\frac{1}{2(a+t)}x+(a+t)^2+\frac{1}{2}\] の解 \[ u(t) = -2a(a+t)(2a+t)\] であり, $y$ 座標は \[ v(t) = -\frac{1}{2a}x(t)+a^2+\frac{1}{2}\] であるから, $t \to 0$ とすると \[\begin{aligned} p &= -4a^3, \\ q &= -\frac{1}{2a}p+a^2+\frac{1}{2} = 3a^2+\frac{1}{2} \end{aligned}\] となる.
(ii) の結果は $a = 0$ のときも成り立つから, 求める極限値は \[ p = -4a^3\ \cdots [1], \quad q = 3a^2+\frac{1}{2}\ \cdots [2]\] である.
(2)
$[1],$ $[2]$ から, $2$ 点 $(a,a^2),$ $(p,q)$ の間の距離は \[ r = \sqrt{(-4a^3-a)^2+\left( 2a^2+\frac{1}{2}\right) ^2} = \frac{(1+4a^2)^{\frac{3}{2}}}{2}\] である.
(3)
$[1],$ $[2]$ から $a$ を消去すると, \[ q = \frac{3}{\sqrt[3]{16}}p^{\frac{2}{3}}+\frac{1}{2}\] となる. よって, 求める軌跡は曲線 $y = \dfrac{3}{\sqrt[3]{16}}x^{\frac{2}{3}}+\dfrac{1}{2}$ である.

背景

  • 本問において, 点 $(p,q)$ を中心とする半径 $r$ の円周は点 $(a,a^2)$ において放物線 $y = x^2$ をよく近似している. このように曲線を最もよく近似する円を「曲率円」(curvature circle)と呼び, その半径 $r$ を「曲率半径」(radius of curvature), $\dfrac{1}{r}$ を「曲率」(curvature)と呼ぶ(厳密な定義は省略).
  • $2$ 階微分可能な関数 $f(x)$ に対して, そのグラフ $y = f(x)$ の点 $(a,f(a))$ における曲率半径 $r$ は, $f''(a) \neq 0$ のとき \[ r = \frac{\{ 1+f'(a)^2\} ^{\frac{3}{2}}}{|f''(a)|}\] であることが知られている.
  • 曲線の「曲率円」の中心の軌跡を「縮閉線」(evolute)と呼ぶ.

問題《初等超越関数のグラフの曲率半径》

 次の関数 $f(x)$ のグラフ $C:y = f(x)$ 上の異なる $2$ 点 $(a,f(a)),$ $(t,f(t))$ における法線の交点 $(u(t),v(t))$ について, $p = \lim\limits_{t \to a}u(t),$ $q = \lim\limits_{t \to a}v(t)$ とおく. $a$ が $f(x)$ の定義域全体を動くとき, $2$ 点 $(a,f(a)),$ $(p,q)$ を結ぶ線分の長さ $r(a)$ の最小値を求めよ.
(A)
$f(x) = e^x$ 
(B)
$f(x) = \cos x$ $\left( -\dfrac{\pi}{2} < x < \dfrac{\pi}{2}\right)$
(C)
$f(x) = \tan x$ $\left( 0 < x < \dfrac{\pi}{2}\right)$
(ヒント: (C) の関数について, $r(a)$ の最小値は $0 < b < 1$ における $2b^3-3b^2-4b+3 = 0$ のただ $1$ つの解 $b = b_0$ を用いて表される.)

解答例

(A)
$f'(x) = e^x$ であるから, $C:y = f(x)$ の点 $(a,f(a)),$ $(t,f(t))$ における法線の方程式はそれぞれ \[ y = -e^{-a}(x-a)+e^a, \quad y = -e^{-t}(x-t)+e^t\] である. これらの交点の $x$ 座標は \[\begin{aligned} -e^{-a}(x-a)+e^a &= -e^{-t}(x-t)+e^t \\ e^t(x-a)-e^{t+2a} &= e^a(x-t)-e^{2t+a} \\ (e^t-e^a)x &= ae^t-te^a-e^{t+a}(e^t-e^a) \end{aligned}\] の解であるから, \[\begin{aligned} u(t) &= \frac{a(e^t-e^a)-(t-a)e^a}{e^t-e^a}-e^{t+a} \\ &= a-e^a\cdot\frac{t-a}{e^t-e^a}-e^{t+a} \end{aligned}\] である. よって, $t \to a$ とすると \[\begin{aligned} p &= a-e^a\cdot\frac{1}{(e^x)'|_{x = a}}-e^{2a} \\ &= a-e^a\cdot\frac{1}{e^a}-e^{2a} = a-e^{2a}-1, \\ q &= -e^{-a}(p-a)+e^a \\ &= -e^{-a}(-e^{2a}-1)+e^a = 2e^a+e^{-a} \end{aligned}\] が得られるから, \[\begin{aligned} r(a)^2 &= (-e^{2a}-1)^2+(e^a+e^{-a})^2 \\ &= (e^{2a}+1)^2+e^{-2a}(e^{2a}+1)^2 = \frac{(e^{2a}+1)^3}{e^{2a}} \end{aligned}\] である. $b = e^{2a}\,(b > 0)$ とおく. このとき, \[\begin{aligned} r(a)^2 &= \dfrac{(b+1)^3}{b}, \\ \frac{d}{db}r(a)^2 &= \frac{(b+1)^2(2b-1)}{b^2} \end{aligned}\] となるから, $r(a)^2$ は $b = \dfrac{1}{2}$ つまり $a = -\dfrac{1}{2}\log 2$ のとき最小値 $\left(\dfrac{1}{2}+1\right) ^3\div\dfrac{1}{2} = \dfrac{27}{4}$ をとる. $r(a) > 0$ であるから, $r(a)$ は $a = -\dfrac{1}{2}\log 2$ のとき極小かつ最小の値 $\dfrac{3\sqrt 3}{2}$ をとる.
(B)
$f'(x) = -\sin x$ であるから, $C:y = f(x)$ の点 $(a,f(a)),$ $(t,f(t))$ における法線の方程式はそれぞれ \[ y = \frac{1}{\sin a}(x-a)+\cos a, \quad y = \frac{1}{\sin t}(x-t)+\cos t\] である. これらの交点の $x$ 座標は \[\begin{aligned} &\frac{1}{\sin a}(x-a)+\cos a = \frac{1}{\sin t}(x-t)+\cos t \\ &(\sin t\!-\!\sin a)x = a\sin t\!-\!t\sin a\!+\!\sin a\sin t(\cos t\!-\!\cos a) \end{aligned}\] の解であるから, \[\begin{aligned} u(t) &= \frac{a(\sin\!t\!-\!\sin\!a)\!-\!(t\!-\!a)\sin\!a\!+\!\sin\!a\!\sin\!t(\cos\!t\!-\!\cos\!a)}{\sin\!t-\sin\!a} \\ &= a-\frac{\sin a-\sin a\sin t\cdot\dfrac{\cos t-\cos a}{t-a}}{\dfrac{\sin t-\sin a}{t-a}} \end{aligned}\] である. よって, $t \to a$ とすると \[\begin{aligned} p &= a-\frac{\sin a-\sin ^2a\cdot (\cos x)'|_{x = a}}{(\sin x)'|_{x = a}} \\ &= a-\frac{\sin a+\sin ^3a}{\cos a} = a-\tan a(1+\sin ^2a), \\ q &= \frac{1}{\sin a}(p-a)+\cos a \\ &= \frac{1}{\sin a}(-\tan a)(1\!+\!\sin ^2a)\!+\!\cos a = \cos a\!-\!\frac{1\!+\!\sin ^2a}{\cos a} \end{aligned}\] が得られるから, \[\begin{aligned} r(a)^2 &= \{ -\tan a(1+\sin ^2a)\} ^2+\left( -\frac{1+\sin ^2a}{\cos a}\right) ^2 \\ &= \frac{(1+\sin ^2a)^3}{\cos ^2a} = \frac{(2-\cos ^2a)^3}{\cos ^2a} \end{aligned}\] である. $b = \cos ^2a\,(0 < b \leqq 1)$ とおく. このとき, \[\begin{aligned} r(a)^2 &= \dfrac{(2-b)^3}{b}, \\ \frac{d}{db}r(a)^2 &= -\frac{2(2-b)^2(1+b)}{b^2} < 0 \end{aligned}\] となるから, $r(a)^2$ は $b = 1$ つまり $a = 0$ のとき最小値 $1$ をとる. $r(a) > 0$ であるから, $r(a)$ は $a = 0$ のとき最小値 $1$ をとる.
(C)
$f'(x) = \dfrac{1}{\cos ^2x}$ であるから, $C:y = f(x)$ の点 $(a,f(a)),$ $(t,f(t))$ における法線の方程式はそれぞれ \[ y = -\cos ^2a(x\!-\!a)\!+\!\tan a, \quad y = -\cos ^2t(x\!-\!t)\!+\!\tan t\] である. これらの交点の $x$ 座標は \[\begin{aligned} &-\cos ^2a(x-a)+\tan a = -\cos ^2t(x-t)+\tan t \\ &(\cos ^2t-\cos ^2a)x = t\cos ^2t-a\cos ^2a+\tan t-\tan a \end{aligned}\] の解であるから, \[\begin{aligned} u(t) &= \frac{t\cos ^2t-a\cos ^2a+\tan t-\tan a}{\cos ^2t-\cos ^2a} \\ &= \frac{\dfrac{t\cos ^2t-a\cos ^2a}{t-a}+\dfrac{\tan t-\tan a}{t-a}}{\dfrac{\cos ^2t-\cos ^2a}{t-a}} \end{aligned}\] である. よって, $t \to a$ とすると \[\begin{aligned} p &= \frac{(x\cos ^2x)'|_{x = a}+(\tan x)'|_{x = a}}{(\cos ^2x)'|_{x = a}} \\ &= \frac{\cos ^2a-2a\sin a\cos a+\dfrac{1}{\cos ^2a}}{-2a\sin a\cos a} = a-\frac{1+\cos ^4a}{2\sin a\cos ^3a}, \\ q &= -\cos ^2a(p-a)+\tan a \\ &= -\!\cos ^2\!a\!\left(\!-\frac{1\!+\!\cos ^4\!a}{2\sin\!a\cos ^3\!a}\!\right)\!+\!\tan\!a = \tan\!a\!+\!\frac{1\!+\!\cos ^4\!a}{2\sin\!a\cos\!a} \end{aligned}\] が得られるから, \[\begin{aligned} r(a)^2 &= \left( -\frac{1+\cos ^4a}{2\sin a\cos ^3a}\right) ^2+\left(\frac{1+\cos ^4a}{2\sin a\cos a}\right) ^2 \\ &= \frac{(1+\cos ^4a)^3}{4\sin ^2a\cos ^6a} = \frac{(1+\cos ^4a)^3}{4\cos ^6a(1-\cos ^2a)} \end{aligned}\] である. $b = \cos ^2a\,(0 < b < 1)$ とおく. このとき, \[\begin{aligned} r(a)^2 &= \frac{(1+b^2)^3}{4b^3(1-b)}, \\ \frac{d}{db}r(a)^2 &= -\frac{(1+b^2)^2(2b^3-3b^2-4b+3)}{4b^4(1-b)^2} \end{aligned}\] となる. \[\begin{aligned} 2\cdot (-2)^3-3\cdot (-2)^2-4\cdot (-2)+3 &= -17 < 0, \\ 2\cdot 0^3-3\cdot 0^2-4\cdot 0+3 &= 3 > 0, \\ 2\cdot 1^3-3\cdot 1^2-4\cdot 1+3 &= -2 < 0, \\ 2\cdot 3^3-3\cdot 3^2-4\cdot 3+3 &= 18 > 0 \end{aligned}\] であるから, 中間値の定理により $2b^3-3b^2-4b+3 = 0$ は $0 < b < 1$ の範囲にただ $1$ つの解 $b = b_0$ をもち, $2b^3-3b^2-4b+3$ は $b < b_0$ のとき正, $b > b_0$ のとき負である. よって, $r(a)^2$ は $b = b_0$ のとき極小かつ最小の値 $\dfrac{(1+b_0{}^2)^3}{4b_0{}^3(1-b_0)}$ をとる. $r(a) > 0$ であるから, $r(a)$ は最小値 $\sqrt{\dfrac{(1+b_0{}^2)^3}{4b_0{}^3(1-b_0)}}$ をとる.

参考

 対数関数 $y = \log x$ のグラフの「曲率半径」は点 $\left( -\dfrac{1}{2}\log 2,\dfrac{1}{\sqrt 2}\right)$ において最小値 $\dfrac{3\sqrt 3}{2}$ をとる.